2013/05/23

できない自分を一度認める勇気[園部|中京大3年]


中京大学3年(インターン当時) 園部祥孝

『インターンシップを終えた現在、自分の事を決して悲観的に考えることはありません。「できない、難しそう、苦手だな。さて、どうやって乗り越えていこうか」壁にぶつかった時はいつもそう考えています。』


受け入れ企業先:有限会社大橋量器
インターン期間:2012年8月2013年2月

◆インターンをしようと思った理由は何ですか?

長期インターンシップをしていた友人が大きく成長する姿を目の当たりにしたからです。
大学二年修了時に一年間の休学をとり、カナダへ語学留学をしていました。三年生として復学後、学内のインターンシップのセミナーに参加した際、数百人の学生の前で堂々と自らの長期インターンシップの経験を話す友人のかっこよさに衝撃を受けました。
「あいつ、一年前最後に会った時はあんなにイケていなかったはずなのに。一体彼を変えた長期インターンシップって何だろう」それが長期インターンシップに興味を持った理由です。
そしてフェア当日、そこには今まで自分が出会ったことがないイケてる学生が溢れていました。バイトやサークルなどの学生生活を楽しむだけではなく、本気の挑戦をしてきた学生の顔でした自分は既に三年生だけど、できるのではないか?心は決まっていました。
数ある企業の中、挑戦を決めたのは伝統工芸「木枡」専門メーカーである大橋量器。
同社は縮小しつつある伝統工芸の業界で、枡づくりの技術を活かした斬新な商品を海外へ積極的に発信しています。例えば「電力を必要としない枡の加湿器」「枡に入浴剤とアロマオイルを詰め込んだバスアイテム」といった商品をニューヨークの展示会に出展するなど、海外への販路開拓を行っています。インターン先の決め手は、単純に日本の伝統工芸を海外(欧米)に積極的に発信している点に惹かれたからです。留学中、カナダやアメリカで走っている日本車の多さに感動した経験があります。その頃から漠然と日本のモノづくりを外へ発信したいという想いがありました。

◆インターン中の業務、またその中で辛かったことは何ですか?

私の基本的な業務は二つ。「注文受注業務」と「展示会等イベントの出展担当」です。
受注業務では、受注段階から納期管理、発送後の売上管理まで一貫して責任を持って担当します。それぞれの商品が出来上がるまで工程や納期が異なるため、スケジュールの管理を正確にしなければなりません。管理に間違いがあれば、現場の職人さんの仕事を増やしてしまいますから。展示会やイベントに出展する準備も1から準備を始めます。商品は何をいくつ用意するか。足りなければいつまでにどの職人さんに用意していただくか。
そしてその二つの業務と並行して海外のお客様からの注文対応や、枡づくり体験のインストラクト、現場の手伝い、社長から投げられる仕事をこなさなければなりません。
インターン開始当初私は「大変な事、苦手な事からすぐに逃げる自分」と向き合う事ができませんでした。怒られたり、失敗したり、傷ついたりしたくないからです。厳しい職人さんと関わる仕事や、師匠である社長と接する事を極端に避けて一人でできる簡単な仕事だけを行っていました。
しかし一人きりでできる仕事なんてものは驚く、苦手な仕事、困難な部分から逃げるだけでは仕事は全く進みません。
催事出展に関して疑問点があれば社内外の担当者に確認しなければならないし、自分では商品を作ることはできません。逃げれば逃げるだけ、仕事が怖くなり、インターンシップが嫌になりました。ある日、社長にひどく怒られます。
「君は全ての行動が遅い。悩んで立ち止まっている姿ばかり見受けられる。それでは半年間やっても変わらない。悩むより動いた方が絶対いい結果がでるからとにかく動きなよ。」
それ以降考え方が変わりました。
できなければ、どうしたらできるようになるかを具体的に考え行動するようになったのです。以前は何か問題が起きたり、壁にぶつかったとき「最悪。どうしよう。適当に言い訳して自分を守ろう。」なんて考えてました。この後ろ向きな考え方が、苦手な仕事、状況、自分と向き合い続けることで「この状況をいかにしてbetterにしていこうか」「よし、やってやるぜ!」という姿勢に変わりました。これがインターンシップだけでなく、自分自身が変わるキッカケでした。

◆インターンがあなたの人生に与えた影響は何ですか?

大橋量器のインターンシップを通して私が得たものは「自信」です。それは傲慢や横柄さではなく、傷つくことから逃げる弱さ、自分自身を認めることができる自信です。もともと私は悲観的に物事を考えたり、自身の感性や考え方に劣等感を持っていました。大橋量器でのインターンは様々な業務を自分が主体性を持って取り組まなければ進みません。
半年間を通して、分からなければ分からないと胸を張って言える勇気。できないことがあれば、まずはできない自分を一度認める。その上でどうしたらできるかを考え行動する姿勢を持ちました。
インターンシップを終えた現在、自分の事を決して悲観的に考えることはありません。「できない、難しそう、苦手だな。さて、どうやって乗り越えていこうか」壁にぶつかった時はいつもそう考えています。

◆これからインターンをやろうと思っている人に一言。

「今の自分に満足していますか?」
なりたい理想の自分があるのであれば、必ず現時点の自分とのギャップと向き合わなければなりません。そのギャップと向き合う事は決して簡単ではなく辛いことの方が多いと思います。それでも自分と真剣に向き合い、悩んで、それでも自分と向き合って行動を起こすことができたなら。必ずなりたい自分へ変われます。長期インターンシップはその絶好の機会の一つです。